4月からの新年度を迎えて、改めてマイナンバーに悩む法人さんが多いですね。マイナンバーへの対応としては、
やらなきゃならないことを考えすぎて不安になっている法人と、ウチには関係ないからと何もしていない法人さんの大きく2つに分かれるようです。
どちらも間違い!!ですね。
マイナンバーは全ての法人さんに関わってきますが、決して怖がることはありません。
そこで、農業法人として今をすべきか!にポイントを絞って解説してみました。
1. 今年マイナンバーを使用する場面は?
従業員(パート・アルバイト含む)のマイナンバーが実際に必要となる時期は、原則として来年(平成29年)の1月からとなります。すなわち、平成28年分の源泉徴収票・給与支払報告書を提出する時期です。また、健康保険や厚生年金保険等の社会保険における手続きも、1年遅れの平成29年1月から開始されることになっています。
したがって、平成28年中にマイナンバーを記載する場合は以下のとおりです。
今年マイナンバーの記載が必要な場合 |
記載する書類 |
新たに従業員を採用する場合 |
雇用保険被保険者資格取得届 |
退職する従業員が出た場合 |
雇用保険被保険者資格喪失届 源泉徴収票(給与所得)注1 |
結婚等で氏名が変わる従業員がいる場合 |
雇用保険被保険者氏名変更届 |
雇用保険の各種給付金を受給する従業員がいる場合 |
育児休業給付・介護休業給付・高年齢雇用継続給付等の各申請書 |
コンサルタント・外部講師等に報酬を支払う場合 注2 |
支払調書 |
地主に地代を支払う場合 注3 |
支払調書 |
株式会社で、株主に配当金を支払う場合 |
支払調書 注4 |
注1 「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出していたときは、平成28年中の給与支払金額が250万円を超える場合。提出していない場合は50万円を超える場合。なお役員に退職金等を支給する場合は、
退職所得の源泉徴収票に記載が必要。
注2 個人事業主であって、同一人に対し年5万円を超える場合。
注3 個人の地主であって、同一人に対し年15万円を超える場合。
注4 既存の株主については、番号の記載が3年間猶予される。なお、農事組合法人で従事分量配当を支払うときは、支払調書の提出自体が不要。
なお労災保険については、法人がマイナンバーを記載する書類はありません。
2. 本人確認の方法は?
マイナンバーを取得するときには、必ず本人確認が必要となります。本人確認では、番号確認と身元確認の両方を行わなければなりません。
・番号確認の方法 通知カードか個人番号付住民票記載事項証明書で確認します。
・身元確認の方法 顔写真付きの証明書(運転免許証やパスポート)で確認します。もし顔写真付きの証明書がない場合には、健康保険証と年金手帳など2点の書類の組み合わせにより確認します。
なお従業員の場合は、一度身元確認をすれば、以後は人違いでないことは明らかなので、再度確認する必要はありません。
3. マイナンバーを教えたくないと言われたら?
個人番号の記載は、法律で定められた義務であることを伝え、提供を求めてください。
それでも提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください。
なおマイナンバーが記載されていないという理由で、税務署やハローワークが受理しないということはありません。
4. 従業員本人に交付する書類には記載しないこと
あくまで税務署・市町村に提出する帳票のみに記載することに注意します。
5. マイナンバーを集める方法は?
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載してもらう方法が一般的です。このほか、従業員本人と扶養親族の通知カードをコピーして提出させる方法も可能です。いずれにしても、早めに番号を取得し保管しておきましょう。ただし保管は厳重にする必要があります。
6. 最も注意すべき点は?
番号の外部への漏えいです。絶対に情報漏えいが起きないように、事業主としてしっかりと対策する必要があります。
番号はパソコンに入力せず、紙ベースで管理する方が安全だといえます。