個人農家から法人化(法人成り)した場合、ご主人が代表取締役になるのは当り前ですが、迷うのは奥さんをどのように扱うかです。
専務取締役など役員になるケースが多いと思われますが、「非常勤役員」や「従業員」にするなど、それ以外の選択肢もあるため、検討する余地があるところです。
例えば、社会保険に加入しないで、社長である夫の扶養に入れたいのなら、非常勤役員にして年収130万円未満(奥さんが60歳以上なら180万円未満)にすれば、社会保険料はかからないことになります。ただし、非常勤役員であるためには、「経営に参画していない」ことを示す必要があります。逆に言うと、毎日仕事を手伝ったり、他の従業員に指示していたりすれば、「常勤」の役員とみなされてしまいます。
奥さんを従業員とすることも可能です。この場合でも、社会保険に加入しないのであれば、週30時間未満勤務に抑える必要が出てきますので、現実的にはむずかしいのではないでしょうか?
現在、女性の平均寿命は87.57歳、50歳の平均余命は38.61歳(令和3年簡易生命表)まで伸びています。旦那さんよりほぼ10年近く長生きすることは確実です。その意味では、社会保険とくに厚生年金に加入することで、少しでも老後の資金を準備することを考えたいものです。