最近、といっても数年前から「副業」に注目が集まっています。平成30年に厚労省のモデル就業規則が改定され、これまで原則禁止としていた副業が、原則容認となったことが一つのキッカケとなっていますが、背景に労働力の絶対的不足があることは間違いありません。
さる3月19日(火)にJA宮城中央会の主催で、第5回目となる「就農支援・労働力確保対策研究会」の今回のテーマは「副業」でした。特にJA職員が副業によって、農家の労働力確保の一翼を担えないかという問題意識があったことが背景となっています。
全国的には、静岡県のJA遠州中央や秋田県のJA秋田しんせいなどが先駆的な取組みとなっているほか、公務員でも弘前市や山形県職員の副業による農業支援が有名です。また、dayworkをはじめとする1日農業バイトの担い手も、正社員が土日に行う副業が多いことがわかっています。
タイトルにもあるとおり、なぜ農業が副業に向いているか、です。それは先ず、本業と同業・競業となり難いこと。これは当然ですかね。実はもっと重要なのは、労働時間の通算を行わなくてすむ点です。
本業の会社が最も気にする点は、労働時間の通算です。本業と副業の労働時間は通算する必要がありますが、働き方改革によって、罰則付きの上限規制がかかっています。これが最も気になる点なのですね。
ところが農業はなんと、通算しなくてよいとなっています(副業ガイドライン)。なぜか?そうです、農業は労基法41条によって、労働時間が適用除外になっているからです。これは副業先の農家にとっても、通算して法定時間外となって割増賃金を払わなくてもよいということです。
ただ実際には、安全配慮義務の観点から、あまり長時間労働とならないよう配慮する必要はありますが……